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   ⅱ.音の景色

 

未だ誰も聞いたことのない。

奏でている本人さえも聞いたことがない音の連なりが心地良く静かに流れ始めた。

 

この空間は音楽を聴くにはとても良い。

頑丈な太い梁で支えられた木の天井、大きく太い柱、そして床もぬくもりのある木が使われている。

重厚感のある造りが安心を与えてくれる。

さらに壁は優しい風合いの土壁だ。響きがとても自然で心地よい。

適度に響いて、響き過ぎることもない。

そして、空間の大きさがちょうどいい。楽器そのものの音が直に身体に伝わる。

そう、音圧が感じられる距離といってもいい。

大きな会場ではこんな風に臨場感を感じることはできない。

 

そしてここは、目の前に迫る木々の緑が目にも安らぎを与えてくれる・・・

 

風に揺れる木の葉に視線を奪われていると、まるで時間という川の流れにくるくると木の葉が流れるようにピアノから紡ぎだされた音が心地よく心に舞い込んでくる。

 

今、生み出されたばかりの音の粒たちのキラキラとした表情が何かの情景を見せてくれているようだ。

流れ込んでくる音の景色が心いっぱいに広がっていったのだった。

     ⅴ.旅の終わりに

 

そんな気持ちの中、耳に届いてきたのはあの頃と同じメロディ。

懐かしいあの人との思い出のメロディ。そう、ちょうどあの人と一緒に過ごしていたあの頃の・・・

甘酸っぱいとはこういうことか。

心の奥深くを遠く旅をして今の自分に返ってきた感じがした。

そして遠ざかっていく曲の余韻に消えないで欲しいと願う自分がいた。

 

やがて、その静けさは聴衆の拍手によって現実を取り戻した。

まるで映画を観ていたように様々なシーンを思い出していた。

そしてこの曲がもっと好きなってしまった。

そして、なにか胸のあたりに温かいもの感じていた。

 

 

男はにこやかにな笑顔で拍手に応えている。

とても、良かったよ。ありがとう。

そして、男は会場をゆっくり見回したあと一瞬目があってドキッとした。

この男には私の心が見えていたのか。

私にはその微笑みには何か意味でもあるように感じてしまった。

 

多分、勘違いだろう。今の演奏が私の心をそんなにもあの頃に連れて行ってしまっていたのだ。

それにしても、こんな気分になるとは思ってもみなかったよ。

ありがとう。あの人との思い出にもう一度会わせてくれて。

 

あれ以来、この曲が頭の中を巡って離れないことは言うまでもない。

そう、あの人との思いでとともに・・・

心のスクリーンに映し出すあなただけのストーリー

 

どう感じられたでしょう?

私たちの感情はある出来事をきっかけに思いもよらない気持ちにさせられるものです。


ドラマチック・ピアニスト はちまん正人さんの演奏は、誰もが知っていて思い出深い名曲を多く取り上げます。
そしてその曲が今初めて出来上がったように感情の赴くままにリアルタイムにアレンジを加え演奏するのです。
綺麗な衣装をまとったフランス人形に命を吹き込み踊りだすように。新しく曲が生まれ変わるのです。

今ここにいるあなたの為に演奏する。

はちまんさんはこう話します。

「そのためには過去の演奏を忘れなければいけない。」と。

 

あの時の演奏はその時にいた人のために演奏したもの。今とはお客さんも違えば時間も季節も違うからです。
 

あなたの大好きな曲はどんな曲ですか?

 

そして、その曲にどんな思い出がありますか?
毎日の生活では忘れているあの頃の感情を、ある曲を耳にすることで鮮明に思い出すことがあります。
そんな自分だけの物語りを誰しも心の奥に1つや2つは封じ込めているものです。

そのきっかけになるのは、やはりその時代にヒットし街でよく耳にした名曲であることが多いです。

 

例えばこんな風に・・・

音楽は心の扉の鍵を開けてくれます

     ⅳ.心に募る想い

 

その曲にはこんな展開はなかった。


私が知らなかったこの曲の続きを初めて聴いているかのようだ。そう、私が知らないあの人。

 

あれからどうしているのだろう・・・
考えても答えは出ない。でも、幸せであってほしい・・・そう、今でもそう思っている。

 

曲は私がまるで知らない方向へとさらに展開していく。

 

人生にはいろいろなことが起こる。

それは分かっている。

良い時期ばかりではない、涙に暮れる日も当然あるだろう。

 

私にもあった。

人知れず苦しみが立ち去ることを待つしかない日々が。

もしかしたら・・・あの人も辛い思いをしているのではないかと考えると、不思議なほど胸の鼓動が早くなっている自分に気がついた。

 


でも、どうしても続けられなかった。それは確かだたしそうすべきだった。でも・・・

 


驚いた・・・こんな気持ちになるなんて。
 

     ⅲ.心の旅路

 

 

ちょうどそんな時、今まで聞いていた曲の調子がぱっとその表情を変えた。


あぁ・・・懐かしいメロディだ。


なにかが急に心のスクリーンに「思い出」を投影し始めた。もうだいぶ前のことになったがあの頃よく街で流れていたあの曲だ。

 

 

そう、私の大好きな名曲・・・

多くの人がこの曲を好きだと言うだろうれど、私の思い入れは他の人とはちょっと違う。
あの頃を思い出す・・・正確にはあの人と過ごした時間を思い出す。私には、とてもとても大切な曲。

先ほどのイントロからは想像できないでいた。
それは、1つの謎解きが出来た時のような気持ちよさと、やっと出会えた安心感とが入り混じった感覚。

新鮮だなぁ。なんだろうこの感じは・・・

いつもなにげない生活の中で気付いていないが、思ってもみなかった表情をあの人がみせた瞬間のようだ。

こんな表情をするんだ・・・。

今まで気が付かなかった違う一面を見た時のドキドキ感。

あの頃の自分に掛けられる言葉があるとしたら・・・

今聴いているのはまさしくそんな曲だった。
先ほどのイントロがこの曲に新しい世界観を加えたからなのか。
いつもと違うファッションを身にまとい見違えてしまった時のあのドキドキした感覚。


あの人のそんな瞬間を思い出していた。

そう思っているうちに曲は私の知らない展開へと移って行く・・・
 

今のあなたに届ける、心で奏でるピアノの調べ

 

実際にはちまんさんは演奏する前にイントロをどう弾こうか考えていないのです。


では、いつ決めるのか。

 

曲のタイトルを紹介した後か、振り返ってピアノを見たときか、鍵盤に指を下ろす直前なのか?

実はその答えはここにはありません。

答えは「決めない」のです。

はちまんさん曰く「手が自然に降りたところから始める」というのです。

 


何十回も何百回も弾いてきた曲でも今初めて出会った曲のように新鮮な気持ちで弾くこと。

それが今ここにいる人に対して演奏するという意味なのだと。

いつかのすごく好評だった演奏の再現をしようとすると大失敗をする。あの時と今日は違うのだ。
場所も違えば季節も違う。そして、そこにいたのはあなたではなく、別の誰かです。

今、ここに居るあなたに届ける。

即興で演奏するとは、目の前の人にきちんと音楽の心を届けようとするもの。

あなたの今の気持ちを考えながら、心に届くように思いを込めて演奏するのです。

それがはちまんさんの演奏スタイルなのです。



 

本物の音楽に心を震わせる2時間30分

 

四季折々の森の風情を感じながら、夜はライトアップされた庭を眺めながら、

本物の音楽に心を震わせる2時間30分。

さぁ、準備は整いました。あとは皆さんを待つだけです。

 


今回も素晴らしい演奏を目の前で聴く迫力と臨場感。

体験した人にしか分からない心の満足感をご提供いたします。

心豊かに過ごすかけがえのない時間を皆さんと共に分かち合いたいと思います。

是非、体験してください。

もうすでに予約は始まっています。お席には限りがございますので、今すぐご予約のご連絡を。

あなたのご参加をお待ちしております。

皆様と掛け替えのない時間の共有が出来ますことを楽しみにしております。

「 封     印 」

     ⅰ.プロローグ

 

その男は静かに私に背を向けたのだった。

そして、予め用意された黒革の椅子にやや浅目に腰を下ろした。

他には誰もいないかのようにシーンと静まりかえった空間。

先程までとはまるで違う。

一体どれほどの時間が経ったのか思うほど、和やかな雰囲気から一変したのだった。

波打ち際に打ち寄せる波が進む向きを変えて急に去っていく時のように・・・


つい先ほどまで多くの人が楽しげに笑い、この男の話をにこやかに聞いていたのだが、ある1点吸い込まれていくように全員が静寂の中へ意識を集中していった。

その男も同じだった。


私たちの目の前の男も全てのことを忘れて、今この時に集中しようとしていた。

男にとっては、過去に幾度となく繰り返してきたこの瞬間。

今ここで・・・全く新しい新鮮な想いで・・・何も考えず、心の赴くままに。

 


そしてその男の手は静かに鍵盤の上へ運ばれたのだった。
 

9/12(火)   
   ①昼の部 14:00〜     ②夜の部 18:30〜   2900円(ドリンク・ケーキ付き)
    ドラマチック・ピアニスト:はちまん正人

【予定演奏曲】

直虎:月の灯りに想いて / 熱情カンパネッラ
シャレード / 荒城の月 / 運命の扉(ベートーベン)     他

日進市米野木町南山973-13​   TEL 0561-73-8763

いつも心を満たすサービスを

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多くの人を魅了し続ける演奏

 

音楽とは想いと想いを音で繋ぐもの。


聴く人の想いを考えないで、どうして心に響く演奏ができるでしょうか。

はちまん正人さんとは常にそれを考えているピアニストなのであり、それができる演奏家なのです。

とてもとても深いところで音楽の本質を考えているのです。そういう人なのです。

 


11年ほど前の始まった森の響コンサートを立ち上げてくれたのは、はちまんさんでした。

そしてそれ以来ずっと今まで多くの人を楽しませ続けています。

2時間ほどピアノだけのソロ演奏で飽きさせず満足させなければいけないのです。


ソロ演奏は技術的に力のある人にしか出来ないことです。

 

それを11年間続けてこられたのです。

だから満足度の総合評価が5点満点中4.6点という評価を受けているのです。


どれほど凄いことかあなた自身が体験してみてください。

全ての方にお勧めできるドラマチック・ピアニストなのです。

 

 

あなたも心の奥の扉の鍵を開けに来ませんか? 

あなただけの物語りが心のスクリーンに写し出されます。

 

 

​そう、この空間で・・・​
 

お客様の声(前回2016年のコンサートに参加して)

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