
「源氏物語」の主人公 光源氏を通じ、
千年前の人々の感情が私たちの心に甦る。
遥か昔の人の感情を自分のこととして共感出来るのは
日本人ぐらいなんです。

1000年の時を経ても、人々の感情がありありと伝わる
日本最古の物語りの世界へ

世界で最古の国は日本
私たちはもっともっと自分の国に誇りを持っていいのでは。本当はどれほど私日本人は優れていて、どれほど特別な存在なのか。
私たちは自国の歴史のことを身近すぎて軽く考えがちですが、「世界で最古の国は日本である」とギネスにも、CIAの公式サイトにも掲載されています。実に0.3%の確率です。
日本人の長い文化は世界でみても特別です。「世界最古の木造建築が法隆寺の金堂や五重塔である」ことは有名ですが、世界最古の企業も日本にあります。なんと、西暦578年から続く宮大工の組織「金剛組」は現在も存在しているし、つい最近(2005年)まで同一家系で守っていたというから驚きです。
他の国家をみても長くてたかだか200年ぐらい。中国なんかは4000年とか言ってますが、実はまだ70年にも満たない国家です。
千年を超えて想いを共有出来る国民は
世界中を探しても唯一日本人だけです。
私たちには歴史があり、それを継承して来たことで培われた世界に誇れる文化や技術、美意識があります。でも、その感覚が現代の日本人にも変わらず引き継がれていることがとても凄いことなんです。
日本最古の物語
「源氏物語」は日本で最古の物語です。残念ながら世界最古ではありませんが、平安時代中期に書かれた日本で最古の長編物語です。
今から1000年以上も前の西暦1008年に最初の第1帖が出されました。
作者「紫式部」のことご存知?
作者は言わずと知れた「紫式部」です。
あまり見かけないかもしれませんが、2000円札にも印刷されている有名人です。
どんな方かご存知ですか?
幼少期に母親を亡くされていますが、その幼少期から当時の女性に求められる以上の才能で漢詩を読みこなしたなど才女としての逸話が多く残っているのだそうです。父親は下級貴族でしたが、花山天皇に漢字を教えた漢詩人、歌人でした。
紫式部は貴族では珍しくイワシが好きだったなど様々な説が伝わっていますが、いつ生まれ何歳で亡くなったのかはよく分かっていません。
そして、紫式部という呼び名は本名ではありません。実は本名もよくわかっていないのです。さらに民間から貴族に出仕した女性が仕える主人や同輩への便宜のために名乗った通称である女房名は「藤式部」と言いました。いくつもの名前を持っていた人物なのですね。

意外!源氏物語の誕生秘話
下級貴族出身の紫式部は1001年20代後半で結婚。相手は藤原宣孝です。しかし、結婚後3年ほどで夫とは死別してしまいます。
その現実を忘れるために書き始められたのがこの源氏物語なのです。
生涯で唯一の物語作品となった「源氏物語」ですが、主人公の光源氏を通じて、恋愛、栄光と没落、政治的意欲と権力闘争など当時の貴族社会を描いたものです。
書きたくても紙がない
紫式部は、物語を書こうにも紙がとても貴重なので書きたくても書けません。紙がないのです。紙を提供してくれる人が現れるとそのたびに物語を書いていました。
書いた物語も仲間内で読んで批評しあうなどして楽しんでいたものでした。
でも、その物語の評判を聞きつけた藤原道長が、自分の娘でもあり一条天皇の中宮でもある彰子の家庭教師に紫式部を呼び寄せました。
宮中に上がったことで紫式部は宮支えをしながら道長の支援の下で物語を書き続けることができるようになりました。
こうやって長い期間をかけ「源氏物語」は完成するのです。
音楽だけがライブじゃない
どうですか?これだけでも聴きたくなってきませんか?森の響ではコンサートの開催を12年以上続けてきました。生の演奏の素晴らしさを伝えたいとの思いがありました。目の前で聴くことで伝わってくるものの量がまるで違うのです。
その躍動感やダイナミックスが直接ダイレクトに心に届くのです。ライブはいいです。
でも、ライブがいいのは音楽だけじゃありません。お笑いでも演劇でもそうです。
こういった「語りの会」も同じです。直接届く声と、電波で届いた声とでは全く伝わり方が違います。声一つでこんなにも空気の色を変え、世界を変えることができるかと驚かれることでしょう。
僕自身がどうしても聴きたい
この企画はまずは自分が聴きたい企画なんです。
1000年以上も前のストーリーというだけでとてもロマンがありませんか。
どんなことにどんな風に感じ、何を思いどう行動したのだろう。僕らとの違いはあるのだろうか?
1000年以上も前の人の心の動きを僕はどう感じるのだろうか。とてもとても興味があるんです。
世界で読まれるベストセラー
「平安の世の宮中の物語り」
源氏物語は普通では垣間見ることない宮中の中の出来事が書かれています。宮中にいる紫式部から見た平安時代が生き生きと描かれたの王朝絵巻なのです。
源氏物語は54冊(54帖)からなる長編物語ですが、紙が貴重だった頃には1冊は20~30ページほどの長さでした。
道長の支援を受けてからの第34帖以降は第34帖「若菜」のように上200ページ + 下200ページにまでほど急激に長くなりました。1冊の厚みが第34帖より前と後では大きく変わったんです。
書き始めから数えて150年ほど後の平安時代末期に「源氏物語絵巻」として絵画化されました。徳川美術館と五島美術館に現存している絵巻物は国宝となっています。
さらに「源氏物語」は20ヶ国語を超える言語に翻訳がされて世界各国で読まれているそうです。




百年以上前の京ことばで聴く
今回この源氏物語を100年以上前の京ことばで語るのです。
源氏物語の舞台は京都の平安京。その物語を京都の言葉でかたるのです。あたかも紫式部が目の前に現れ語っているかのように。さらに100年ほど前の京ことばです。
その意味することは大きいです。内容を知るだけなら本を読んでも同じです。
言葉が音になって発せられるということは音楽を聴くの似ているのです。
どんな風に耳に届くかで伝わってくるイメージは大きく変わってくるのです。
同じ映画なら誰が演じようと同じにはならないですよね。古い京ことばで源氏物語を聴く意味があるのです。
意味が理解できるかしら?
安心してください。理解できますよ!
当日は内容が分かるように、現代語の解説もあります。そして原文でのかたりもさせて頂きます。これこそ紫式部が語っている状態に感じられることでしょう。
なんて不思議なことなんでしょう。もう1000年以上も前の人なんですよ。その人があたかも目の前で語っているような感覚に。そしてその言葉がきちんと理解できて聴けたとしたら・・・どうでしょう?
タイムスリップして紫式部に逢えた気がするんじゃないですか!!
さて、今回の演目は?
さて、今回お届けするのは花宴(はなのえん)というお話。全54帖の中の8番目に登場するものです。もう、宮中に上がる前の初期に書かれたお話だと分かりますよね。
どんなお話なのか少しだけ謎めいた形で紹介せていただきます。
それは光源氏20歳の春のこと。
如月(旧暦の2月、今の暦で3月ごろ)のことです。
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天皇が公的な儀式をするといわれる紫宸殿にて桜花の宴が行われました。
さて、主人公の光源氏がそこで喝采を浴びることになったあることとは?
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その様子を複雑な思いで見ているある女性。はたしてその女性の名は?そしてその衝撃的な関係とは一体?
宴のあとに光源氏が、ほのかに霞む春の夜の月の光に誘われてやってきたところそれは、皇后や中宮が暮らす弘徽殿 という殿舎。
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弘徽殿の西側の庇には細殿と呼ばれるところがあり、宮中に使える女房たちが暮らしていた。
光源氏がそこで耳にしたこととは?
そして、そこで若い姫君と出会う。そして・・・
このあとの話はどんな展開になるのでしょうか。
素敵なご縁に感謝!
今回この源氏物語を100年前の京ことばで語ってくれるのは、京都からお越しくださる山下智子さんです。
山下さんは2011年に京都国民文化祭特命大使に任命された、伝統的日本文化の伝道師です。
テレビのドラマに出演される女優さんでもあります。NHKラジオドラマでは6年間レギュラー出演をされ作品の提供も行いました。
三島由紀夫近代能楽集「道成寺」「熊野」をはじめ舞台でも活躍。テレビでの活動もされています。
2003年以降、声の表現を中心に活動されています。
「京ことば源氏物語」の女房語りを通し「失われゆく美しい京ことば、やまとの心を後世に伝えるべく活動を続けているのです。
東京、神戸では全54帖隔月連続公演を行っています。
そして廬山寺、石山寺、渉成園(東本願寺)、円覚寺、各地の劇場、美術館、サロンで語り会を開くなど活動されています。
その活動は海外でも。
ワルシャワ大学、パリ、ベルン、フランス日本文化会館、フランス国立東洋言語文化研究所、スイス日本国交150年記念行事 リヒテンシュタインなど6都市で公演を行っています。
源氏物語の他に、文楽人形芝居での語り、朗読劇、詩とダンスのコラボレーション、映像番組のナレーション、電子辞書、国文教科書CDなど声での活動の幅がとても広いのです。
今回コラボ企画としてギャラリーにて友禅をはじめとした「染」の展示があります。その作家さんを通じご縁を頂きました。あまり時間のない中、急ピッチで準備を進めて参りました。
言霊の国「日本」
「京ことば源氏物語」は、京都の国文学者 故中井和子先生が100年ほど前の京ことばに訳されたものです。全54帖を訳すのになんと15年もの歳月がかけられたのだとか。
現代で考えれば、雲の上のような格調高い王朝絵巻ですが、京ことば源氏物語では、一人の女房(高い位の女官)の視点で宮中の出来事のあれこれが、あたかもここで話しているかのように語られ、生き生きとした平安の世の人間模様が浮かび上がります。
山下さんから一言
「ことば」はその土地の独特の気候風土が育んだ感性によって紡がれたものです。
複雑で微妙に移ろいゆく京都の自然は、そこに住む人々の心にことばにかさねられてゆきました。
女房という立場から、配慮を見せつつおぼろげにことばをかさねてゆくことでだんだんと立体化する物語世界は直接的ではありませんが、気候風土のもたらす発想の息吹そのものが「音」となって響いては消えるその中に、源氏物語の底に流れるもののあはれをくみ取っていただけることを願います。
女房語り 山下智子

美しい日本のことばの世界
今回はコンサートではないですが、
皆様の心を満たすサービスを考えている中で、
この企画を是非とも成立させてご案内したいと思いました。
160回程のコンサートイベントの中で今回が初の語りの会をご紹介させて頂きます。
歴史上の人物も同じ一人の人間であり
私たちが抱く感情と同じものを持っているのです。
時を越えて感情の共有できるロマンを感じに来ませんか。
準備は整いました。
あとは皆さんのお越しをお待ちをするだけです。
是非、時代のタイムスリップをご一緒に楽しみましょう。
目の前で語られる本物の語りは、
すぐにしかも深く心に注ぎ込まれ、
ことばの魂が胸を響かせます。
そして「日本人で良かった」と
日本人であることを誇りに思えることを願っております。
皆様とお会いできることを楽しみにしております。
今すぐご予約のご連絡を。
席に限りがございますのでお早めにご連絡いただくことをお勧めしております。
皆様と掛け替えのない時間の共有が出来ますことを楽しみにしております。
さぁ、心の扉を開く準備は出来ましたか?